半年ぶりの連れ出し。そして惨敗。

先月、カナディアンガールを連れ出した。

コロナがこんなにうるさくなる前。

まだ街には人があふれていた。


カ:「他の国ではBarなんて入れないよ。日本はちょと違うね。」

久しぶりの連れ出し。


さー何を話そう。

仕事のこと、趣味のこと、家族構成、

思いついたことを頭に浮かんだ順に聞いていく。


意図のない質問を繰り返すことでたどり着いた場所。なつかしい。

こういうものは誰も持ち去ったりしない。

課題は以前のまま、ちゃんとそこに置かれていた。

なぜか安心する自分がいる。


連れ出した先の展開…どーしよっ!


カ:「趣味は何?」

彼女の質問に答えていく。

真面目に。

答えた後に、あ…と思う。


パリッとした沈黙。

気を抜くとため息が漏れそう。

身体の力を抜いてため息を、深呼吸に変える。

気付かれないように、ゆっくり深く。

(落ち着け、落ち着くんだ俺。)



カ:「このあと・・・どうする?」

ん?え?
どういうこと?
意外と刺さってる?
この後展開をのこと期待してる?
これ行けるパターン?

あわてて聞き返してしまう。


カ:「この後は、20時の電車で○○に向かいます。」

自分の予定を言いたかったらしい。
(落ち着け、俺。)

彼女は日本語の勉強中なのだ。



Twitterに流れる即報。

「自分はそういう人たちとは違う。」

なんて思っていたがそんなことはない、俺の中にも即りたいという欲求がある。


凄腕さんたちと違うのは、持ち合わせているシナリオ、展開力、ゴール設定・・・

一言で言うと口説く力だ。

この力が圧倒的に足りない。


主導権を握ることが出来ず、状況に飲まれ、ビビッて縮んでいる。

連れ出したはいいが、口説き方がわからず、相手にお任せしますスタンス。


俺が連れ出された女だったら「今日声掛けてきた男は何だったんだろう?」って思うだろう。


1000円払って店を出た。